鏡 四枚目

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更新日 2013-08-17 | 作成日 2008-04-13

鏡の中の自分

交錯する理想と現実

「自分の殻」

誰だって傷つきたくない。
自分の世界に閉じこもってしまえば安心かもしれない。

でも、そんなことをしたら心がゆっくり死んで逝く。

freezed_heart.jpg皆さん、最近感動とかしてますか?

感性を磨いていますか?

私は小学生の時は結構泣いたり笑ったりしていたと思うんですが、中学校に上がる頃には凄く冷めた子供でした。

更に、虚無主義に陥りまして、本当に感情の動きの少ない人間になっていました。

最初の頃は何か理由があって感情を殺していたんだと思うんですが、いつしかそれが当たり前になって、気が付くと感情を表せない、感情が動かない人間になっていました。

心を凍らせてばかりいると本当に凍ってしまって、解凍できなくなるようです。



美しいものを見て美しいと感動し、悲惨なものを見て可哀想と思い、理不尽なものを見て怒りを覚える。

誰でも多かれ少なかれこういったものは持って生まれていると思います。

しかし、こういったものを感じる感性というものは磨いていかなくては鋭くなりませんし、使わなければ錆び付いていくようです。

美しいものを見ても「ふーん」と納得するだけ、悲惨なものを見ても「運がなかったね」と思うだけ、理不尽なものを見ても「まあ、仕方ないか」で済ましてしまう。

こんなことで生きていけるのでしょうか?生きていると言えるのでしょうか?

感動するからこそ「また見よう、来よう」とか、「自分にも出来ないだろうか」とか思って人は夢や目標を持つのではないでしょうか。

可哀想だと思うからこそ「何とかしてあげたい」と損得抜きで手を差し伸べるのではないでしょうか。

理不尽なものに怒りを感じるからこそ、それを正そうと思うのではないのでしょうか。



感情のない人間は現状を変えようとはしません。

変えたいとも思いません。

どうでも良いんです。

それこそ自分自身さえも。

でも、多くの場合本気でそう思っている人はいません。(と思うんですけど)

人間ですから感情があるのは当たり前ですからね、ただ無い振り、押し殺しているだけ。

そう自分を誤解すれば楽ですから。

痛みに対する麻酔のようなものです。

痛くない、苦しくない、何も感じない・・・だから平気、そう思おうとしている。

でも、怪我をした腕に麻酔を打っても傷が治るわけではありません。

それどころか腕が動かなくなる分、状況は悪化していると言えます。

心もそう・・・いつか本当に動かなくなってしまいますよ?

そうなったとき、果たして貴方は本当に人間と言えるでしょうか。



傷つくことを恐れて自分の殻に閉じこもっている人は言うかもしれない。

「誰にも私の心は解らない」

きついことを言うかもしれませんが、そんなことは当たり前なんです。

誰にも他人の心は解らない、例え同じ様な立場に立ったとしても、それはそうでない人に比べれば少しは理解できるというだけ・・・それはそうでしょう、誰一人として全く同じ思いは持っていないのですから。

だからこそ自分を理解して貰うために一生懸命相手に伝えなければならない、出来る限り正確に伝えるために努力しなくてはならない。

それすらせずにただ自分の殻に閉じこもって「誰も理解してくれない」なんて傲慢でしょう。



・・・・・・・これまでの言葉はどちらかというと過去の自分に対していってるきらいが有るんです。自分の殻に閉じこもって何もしなかった自分に対して。

ですが、もし、貴方がこれを読んで自分のことを言っていると少しでも感じたなら耳を傾けて欲しいと思います。



繊細で、弱く、臆病で、綺麗な心を持った貴方達にとってこの世界は生きにくいかもしれない。

しかし、少しだけでいいですから、心の窓を開けて人と触れあっていくことに慣れて下さい。

強くなって下さい。

そうすれば、痛みを知っている分だけ他の人よりも人の弱さを理解できる貴方は本当に優しい人になれます。

痛みを知らない人は他人の痛みに気付くことが出来ないことがあります。

同じ立場に立たないと見えないものがあります。

ですが貴方にはそれが解る。

その優しさを持って世界に出ていけば、貴方は他人の目にきっと輝いて映ることでしょう。



少しずつでいいですから自分の殻から出てみて下さい。

そしていつか世界に飛び出して下さい。

手遅れにならない内に、飛べなくなる前に・・・。


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