鏡　六枚目

今、貴方が、貴方として存在しているのは奇跡です。
奇跡的な確率の元、今の貴方が存在しています。
だったら生きている意味を信じてみたくは無いですか？

皆さん、自分が何のために生きているのか考えたことがあるでしょうか？
 
自分が何故、今、生きているのかを考えたことがあるでしょうか？
 
この問いに答えられるのは恐らく宗教のみだと思います。
 
 
 
ある宗教ではそれは輪廻転生の中の試練であり人間性を磨くための修行の場が現世である等と言っているものもあるようです。
 
個人的には俗に言う「あの世」というものの存在を仮定している時点ですっごく嫌なんですけど、まあ、この例であれば
 
「誰も生んで欲しいなんて頼んでないわいっ！」
 
という親を不幸のどん底に陥れる、子供の必殺の一言が通用しなくなるという利点はありますが。
 
私に言わせれば「あの世」というものは嘘も方便のようなもので実際には確認のしようの無いものですからお話にならないんですけどね。
 
（だって実際見た人居ないですもん、臨死体験はあくまで死にかけたというだけで実際死んだ訳ではありませんから、あの世を見てきたと言われてもねぇ・・・実際死んだらこっちに帰って来れないわけですから誰にも伝えられないですし）
 
 
 
まあ、余談はこの辺にしておいて今、自分が此処に存在しているのは事実です。
 
肉体があるかどうかは保証の限りではありませんが、今、思考している貴方の意識が存在しているのには疑いが無いでしょう？
 
（この話をし始めるとまた凄く長くなるので今回は割愛させて頂きます。）
 
この「自分が存在している」という事実をどう受け止めるかが問題でしょう。
 
確かに極少数だとは思いますが親に望まれずに生まれてきた人間もいるでしょう。
 
しかしだからといって自分を無価値だなんて思ってはいけません。
 
よく考えてみて下さい、今、貴方が存在しているということは奇跡とも言えることです。
 
例えば100年前に遡った時点で誰が今の貴方の存在を予測できたでしょう？
 
少なくとも貴方の御両親が居なければ、また、結ばれなければ今の貴方は存在しません。
 
貴方が今存在しているのは当たり前に感じるかもしれませんが、少し見る立場を変えると凄い確率の下に貴方の存在が確定したわけです。
 
だったら、その意味を信じたくはないですか？
 
貴方が生まれてきたという事実に意味があると信じたくないですか？
 
自分の存在に価値があると信じたくはないですか？
 
 
 
これに根拠はありません。
 
凄い確率の下に生命の神秘によって今、貴方が、そこに、存在しているという事実があるだけです。
 
しかし、今の貴方は今までの事実の積み重ねによって存在しているわけです。
 
もし、過去が少しでも違っていれば個体としての貴方の存在の有無はともかくとして、今の貴方そのものは存在していないでしょう？
 
何故なら人間は経験によって幾らでも変わるのですから。
 
もし、昔、苛められっ子がだった人間が苛められずに育ったとしたら全く違った人間になりはしないでしょうか？
 
少なくとも全く同じ思考、性格ではないでしょうし、そしてそれらに影響されて行動も変われば肉体も変わるかもしれません。
 
それにも関わらず貴方は今の貴方として存在しています。
 
貴方が存在し、そして今の貴方であるということは本当に奇跡的なことなのです。
 
だったら今こうして今の自分が在ることを意味のあることと考えても良いのではないでしょうか？
 
これは信仰です。
 
この信仰を持って、更に素晴らしい自分へと変化・成長していこうと思えませんか？
 
更に誇れる自分へと変わっていこうとは思いませんか？
 
 
 
そして、この自然の不思議な働き、今自分が在ることの不思議、これらのことから自分は生きているのではなく生かされているのだということを知って謙虚に、全てに感謝しながら、自分の生きている意味を噛み締めながら、または人生に意味を持たせながら生きていって欲しいと願います。
 
自分が今生きていることには意味があると信じて、親にまたは誰かに望まれて生きていると確信して、誰かに必要とされている・必要とされると信じて、人間としての誇りを持って生きていって欲しいと願います。
 
2000.4/10　Regulus